現在、スペイン留学中のR君の話

>DE-SCHOOLくる前、どう過ごしていたのか聞いていい?

僕は7歳までインドネシアに住んでいて、小5くらいから学校に違和感を覚え始めてた。
小6から完全に行かなくなったかな。その間、ただひたすら家でゲームしてたかな。

 

>学校に行かなくなった理由はなんだったとかあるのかな?


(もし話すのが大丈夫であれば)

理由は「勉強は自分にとって必要ではないのでは?」と思ったから。僕が通っていたインドネシアの学校でも詰め込み型の学習が行われてたのね。だから、勉強は詰め込み型の学習をすることだと思ってた。そこでこんな感じに思うようになった。「大人は勉強は大切だと口を揃えていうけど、全ての大人は学校で教えられる知識を使って仕事をしているわけではない。じゃあ、勉強って意味ないんじゃないか?」と。それと、中2の時に日本に戻ってきてNPO法人の活動になんとなく参加して社会活動が面白いと思った。だから、僕にとっては勉強よりも社会活動の方が重要に思えた。これが僕が学校に行かなくなった理由。

 

>詰め込み型学習で勉強が嫌になって、社会活動が面白いと思ったから、勉強の時間を減らしてもっと社会活動をしたいと思ったのかな。

そう。しかも日本の中学校が合わなかったってのもあった。

 

>日本の中学校が合わなかった理由はなんだったとかあるのかな?
(もし話すのが大丈夫だったら)

理由は、形だけのよくわからない慣習があったり、制服が義務であることとか違和感を覚えたから。それと、インドネシア同様に、勉強の教え方が記憶型の詰め込みで授業が進んでいくので、僕には最初から合わなかった。

 

>DE-SCHOOL来て、最初どうだった?

最初は本当にここでいいのかな...?と思っていた時もあったり、新しい環境だったから慣れが必要だったかな。けど、DE-SCHOOLに慣れてきたらサポーターが「生きることに必要な考え方」を段々と教えてくるようになった。

 

>生きることに必要な考え方って、具体的にはどんなことだろう?

色々あるけど、振り返ることの重要性だったり科目によらないスキルとかかな。

もう少し詳しくいうと、今学んでいることに対して、「自分は今どこが理解できていないのか」を意識できるようになったかなと思う。以前はあることを説明されたら、それだけで分かったと合点してしまっていた。DE-SCHOOLのサポーターに「じゃあ自分で説明してみて」に言れたけど、うまく説明できないことが多かった。だから、人にきちんと説明できない箇所は、自分があまり理解できていない箇所だとDE-SCHOOLで教わった。それを踏まえて、情報をノートに整理したり、サポーターと一緒にノートに図解したり、人に説明したりすると、曖昧になっている箇所がわかる。つまり、自分が理解できていないところを探せるってこと。だから、そういうアウトプットをどんどんやって理解できていない部分を探していくことが理解を深める学習方法の一歩であるということを教えてもらった。あとは、学んだことをノートにそのまま箇条書きしてたんだけど、サポーターから「それだと因果関係がよくわからないままだから、なぜそうなったのか、だからどうなったのかについても書き込めるといいね」とアドバイスを受けたり。

そういう感じで、自分の学び方を振り返ることで、自分で知りたいことをより深く学べるようになったかなと思う。

それと、実験する時に検証したいことに関わってる変数を一つだけ変えて結果を確認することも学んだかな。以前は、検証するときにいろいろな要素を一度に変えてしまっていて、どの要素とどの要素が関係しているのかよく分からなくなっていた。だけど、DE−SCHOOLでは、検証するときに、変数を一つだけ絞ることを教わった。それで因果関係とかをより正確に検証できるようになったと思う。

 

>その「生きるために必要なこと」をDE-SCHOOLで学んでどう思った?勉強に対する見方は変わった?

そうだな...、科目によらない勉強は詰め込み型学習だけじゃないんだなと思った。educationって理解できたら面白いんだなって。(編集者註:educationは原文ママなのですが、educationはここでは詰め込み型の学習ではない学びを指していると思われます)

例えば、DE-SCHOOLで調べた化学の原理とか面白かった。

理論立てて予測できうることに面白さを感じた。例えば、表面張力はなぜ発生するのか、電子レンジがどのように動いているのかとかを分子の動きを踏まえて説明できるようになったと思う。以前の学校では先生が言ったことを聞くことが中心で、ちょっと質問するぐらいだったし、基本的に覚えさせられるだけだった。小学校の時だったから詳しく言ってくれないし、詳しく言ってくれないから深く学ぶっていう選択肢も思いつかなかった。対して、DE−SCHOOLだと、サポーターがいろんなことを紹介してくれたり、一緒に実験したり探究したりすることで学びを深められたと思う。

DE-SCHOOLでは一人で勉強するのではなく、サポーターや他の生徒と一緒に探究できる環境だったのがよかった。

そのなかで、粘り強く自分で情報を検索する力もついたし。今まではササっと検索して分かった気になっていたってさっき言ったけど、今はもっと粘り強く調べられると思う。

 

他には、自分の弱点の対処法がわかったかな。前は読み書き全くできないし、インドネシアで生活していたから漢字も読めない。だから、勉強するときは動画をみるという感じだった。だけど、DE−SCHOOLに来てから少しずつ、「自分の弱点をどうしていくか」ということに対してもサポーターと一緒に対策を考えるようになった。今は文章は読めないけど、それを踏まえてじゃあどうするのかってことを一緒に考えていったかな。サポーターの提案とか僕の意見を組み合わせながら、アプリとかのテクノロジーを使って、自分の弱みを補えるようなやり方でうまく勉強することができるようになった。実際、DE−SCHOOL来る前は読みはほとんどできない状態だったけど、サポーターと一緒に対処を考えたりすることで少しずつできるようになったし、何より学び方を学んだ感じ。

他のスキルみたいなとこだと、質の高い仮説を立てられるようになったかな。伝統的な教育だと、パッパッと知識の紹介をして次に次に行ってしまった感じだったし。先生からの質問も「どうしてこうなると思う?考えてみるか!」みたいなことも少なかった。DE−SCHOOLでは、サポーターに仮説を立てるようと言われたことで、その重要性を学ぶことができたと思う。例えば、今ロシアのウクライナ侵攻でロシアが世界各国から経済制裁を受けていますが、その制裁内容から経済を読み解いたりもした。つまり、

「ロシア産の石油の輸出が制限される」

「輸出が制限されると世界の石油の総流通量(供給量)が下がる」

「需要が相対的に上がる」

「石油の値段が高騰する」

「石油の関連する産業で思い浮かぶのは自動車産業」

「じゃあ、自動車関連の株式の価格は軒並み下がるのでは...?」という仮説をサポーターと立てて、実際に株式の価格が下がっていることも確認したり。

 

>DE-SCHOOLに向いている人はどんな人だと思う?

もともと好奇心はあったけど、学校の詰め込み型学習によって勉強が嫌いになり、好奇心が無くなってしまっている人ですかね。僕は、勉強の本来の目的は知りたいことを知れることだと思っています。けど、一般的な勉強には強制的に覚えさせられるという行為も含まれる。学校では受け身になって教えられることが多いけど、educationは自分で知りたいものを求めていく行為でとても面白い。サポーターと一緒にやりたいことを話して決めて、それを元に学ぶので、好奇心を元に学びを広げたいと思っている人にはいいんじゃないでしょうか。